あかちゃん連れを
ノックの主が、習字教室の子供かと思ったが、それならサッサと入ってくるから、そうではない。
いたずらか?
そう思いつつ、ドアをあけると・・・・
そこには、ランドセルを背負った男の子が、じぃっとこちらを見て、通渠佬立ち尽くしていました。
「こんにちは」
善行は、ありったけの意識を投入して、なるたけ、優し気な顔を作ってみせました。
かなり、怪しげではありましたが・・・
案の定、男の子は、善行をみるなり、ぴくっと体をこわばらせましたが、すぐに、それを
解いて、ペコリ・・・と頭を下げました。
(賢い子だ)
善行は、思いました買東京樓。
最近は、礼儀もわきまえない大人が、増えているので・・・
さらには、常々よっちゃんから、
「ゼンコーさん、そんなおっかない顔をしていると、子供が怖がって、逃げちゃうよ」
と言ったから、人一倍、気を付けるよう、心がけています。
それでも、商店街で、お買い物に来たお客さんで、あかちゃん連れを見ると、
つい、あやそうとしますが、いつだって、大泣きされる、そんな残念な境遇なのです。
なので、無理やり作り笑顔服務式住宅で、近付くと、男の子は一瞬たじろぎましたが、すぐに、
「よかったぁ~」
と笑顔になりましたので、
ひとまず善行も、ほっと一安心したのでした。